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来春からの働き口、なんとかなりそうです。
第一志望の業界……内・ですし、たぶん…決めるかな…
なにより、就活への小宇宙がいまかなり下火です…!(ダメ六花
隔月更新、既に破ってしまいました…
おお…しかし父の日までにはなんとか(ある意味・父不幸;
場つなぎとして、小話あげておきます。
死後、優れた闘士はヴァルホルに迎えられ、ラグナロクまで、
けして尽きない肉と酒の相伴にあいつつ歌い暮らす…ということですが、
その間、時間の流れはどうなんでしょう。
もう死んでいるわけだし、精神的不老不死…という扱いなのだろうか。
戦士が肝心の戦時に老いていたら、なんにもならんからなぁ…
と・北欧文学専攻にはあるまじき不勉強ぶりをさらけだしつつ。
人物設定は、
エインヘリヤルとなって不老不死(若干語弊あり)となったシド。
と、
アテナに改めて教皇の座を与えられ、過去の罪科を日々思い返しつつ
老いをかさねるサガ。
サントリーニを夕日が赤く染め上げる。
世界有数の別荘地、その小高い丘の上に、聖域の長たる男の隠れ家がある。
かつて、男は幼い女神アテナを殺害し、聖域を…ひいては地上を支配しようと目論んだ。
しかし、その企ては失敗に終わり、悔い改めた男は、冥界にてその罪を贖う。
男の功もあり、冥王ハデスはアテナに破れ、一時的に光と影の区切りは薄れ…
男は、草葉の蔭より、再び出ずることを許された。
……正統なる聖域の長として。
「アテナは…悪趣味なことを考えたものでした」
すこし艶を失った銀髪に指を通す。
日を、年をふるごとに、男は小さく、乾いていく。
かさつく額に手をあて、閉じた瞼を撫でる。
ひどく億劫そうに開かれた瞼の下からは、唯一時を感じさせぬ蒼い瞳。
「シド」
男は、咎める声音で、彼のためにその膝を提供している青年を呼ぶ。
シドは…、伏し目がちであった瞳を見開き、男に微笑みかける。
「独り言のつもりでした」
「…そうか?耳がとおい老人だからと、口がすべったのでは?」
「私も年をふりすぎて、ヒネた考えしか持てなくなったのですよ、サガ。
あなたのアテナを批判するなど」
北欧の古代神オーディンを頂く、ふるい聖域アスガルド。
アスガルドには、8人の闘士があった。
彼らもまた、ポセイドンの傀儡としてアテナに挑み、その生を終えた。
あるいはオーディンが、幾星霜後かに訪れるラグナロクのため…、
彼らを連れ去ったのかもしれない。
ただ、彼らには死後も自由があった。戦に望むまでのモラトリアム…
消滅までの時間、彼らは衣食住すべてに不自由することなく、また
地上に帰ることも可能とされる。ただし、日中のみ、と時間は限られるのだが。
「…やめましょう。わたしはもうすぐヴァルホルへ帰らねばならない…
次にあなたに会えるのはいつのことか。あの女のために口論などしたくはありません」
「……そうだな」
シドの言葉に、まだ多少の棘を感じつつ、サガは大人しく頷いた。
そして、その痩身を起こす。
シドはサガの背に手をそえ、彼の動作を助ける。
「次の教皇を選んできた…。私は、アイオロスとその後の教皇の間を埋める為の
仮の教皇。…やっと、戻ることができる…」
「ではもう、聖域には帰らない?」
「…聖域は、あそこは…53年前よりもう私の家ではない。双子座の地位を捨て
また続きを兼ねる者として、偽りの生を歩んだ…その私に、帰る場所などなかった」
「…サガ」
「ただ、おまえだけが…。私の闇を、初めて受け入れ、必要とした」
「私はあなたを利用しようとしただけです」
掠れた声で、シドは呟いた。
サガの背にあてられた手が、わずかに握られる。
「それでもよかった。あれと、私、真実の私を愛してくれたのは、おまえだった。
40年前より、わたしの帰る場所は、おまえだったのだ」
「互いに死の淵より彷徨い出てから、今日までの時間が、長かったのか
短かったのか…私にはわからない。でも、あなたを愛するには短すぎ、
忘れてゆくには、長すぎる時間です」
「オーディンも、惨いことをする」
サガはつぶやき、しっかりと自分ひとりで座り直す。
伏せたまま、顔は見えないシドの頭に手を置き、ゆっくりと撫でた。
「酷いのはあなたです」
あなたを愛し、愛されていたいと望むのに、
あなたを心の中から追い出すにはもう、時間が経ちすぎてしまったのに、
「むごいのは、あなたです」
あなたはわたしをひとりにして、何処へ行こうというのです。
「シド」
恋人というよりも、今は祖父と孫のようだ。
初めてであった時のまま、若いままに時間を止めた恋人をみつめ、
サガは苦笑する。
「わたしの魂は、定めに従いハデスのもとへ行くだろう。だが、
ここにのこるこの身体は…、おまえにやろう。
あちこちガタがきて…あまり、使い物にはならんものだが…」
赤く燃えていた空は、次第に紫紺へと変わりつつある。
朧気な灯りのなかで、サガはシドを見つめる。
「キスを…してもいいだろうか。…この老いぼれが嫌でなかったら」
見間違えようのない銀の髪を追って、ジークフリートは走る。
おそらく、逃走路なのだろう…
薄暗く、細い通路はくねくねと折れ曲がりながら
ジークフリートを闇の底へと誘っていく。
背後からついてきていたはずの部下たちの気配も
いつしか感じられなくなっていた。
ふと、唐突に道が終わる。
真新しい鉄の扉が、ジークフリートの前に立ちはだかる。
「…開いている?」
重々しい扉は、彼を誘い入れるように、
うすくその身体を開いていた。
その事実を確認するや、ジークフリートは素早く取っ手を掴み
扉をくぐる。そして、正面…、明かり取りの天窓からこぼれる
月明かりを浴びて、微笑む-すこし驚いたように-青年を見つけて
そこに立ち尽くした。
青年は…、シドは、三年前のあの朝と同じ笑みを浮かべて、
ジークフリートを見つめている。
「出世したのですね、ジークフリート」
シドは、今度こそ混じりけなくあどけない笑みを浮かべて
ジークフリートに話しかけた。
「…おまえのためだ」
「わたしの…?」
心底不思議そうに、シドは首を傾げる。
「わたしのためというならば、いっそ警察などやめて
くださればいいのに」
「ああ、私もいまおまえにそれを望んだよ。…マフィアなどやめてしまえ、と」
お互いの主張を終えると、二人は同時にくすり、と吐息をもらした。
次の瞬間、ジークフリートは腰にあった銃を取り出し、
シドの眉間にねらいを定めている。
「丸腰ですよ」
シドは大仰に肩をそびやかし、その両手をあげた。
「わからんさ。おまえは嘘が得意だろう?…私が調べてやる」
前回の日記・3月ですね~。
五月病なのかしら…、いろいろ気がゆるみがちです。
自分について考える今日このごろ…
何故、気づかなかったのか。
シドは、上階に立つ男を見上げ、舌打ちをした。
某、領事館。
外国領事館は、ある種の治外法権が働き、領事の良心如何でそこは
救いの宮にも、諜報機関にも、または賭博場にも、思い思いに姿を変える。
シドとバド…この双子を頂点に頂く、北欧系マフィア。
新興の団体であった彼らは、てっとりばやく力をつけるために、
コネと、安全な資金源両方を獲得できる領事館を標的に選んでいた。
勿論、相手の母国にも、このことは知らされていない。
そのため、国内にはいくつものダミー賭博場を設け、これらを定期的に
警察官に『提供』することで、双子は一番うまいエサを貪ってきたのだ。
この日も、領事館から半径10キロは離れているカジノで、違法賭博が
催されるとの噂を故意に流し、本命のこの場でしこたま儲ける手筈だった。
それが、信じられないことに、当の領事の手で水泡に帰したのだ。
領事のしぼんだ肩に手を置いているのは、鍔広の帽子と黒のスーツを
まとった長身の男だった。「そこまでだ」と、当初男が叫んだとき、誰もが彼を
訝しく見上げた。あの新入りは何を言い出すのか、と。シドもその一人だ。
特に、バド不在の場にあっては、シドが場の責任者となる。
折角のビジネスチャンスをふいにされてはたまらないと、シドは一歩、
階上にいる男のほうへ踏み出した。そのとき、丁度、男が帽子を払ったのだ。
「…警察だ!」
男の一声で、どこに紛れ込んでいたのか、一斉に制服姿の警官がなだれこんでくる。
「シド様!」
側近の背に庇われるようにして、場を逃れようとするシドの耳に、
男の声が突き刺さった。
「その、銀髪の男だ!必ず捕らえろ!」
言い放ちながら、自身もひらりと欄干から身を躍らせ、シドのもとへと
駆けてくる。逃走経路へと続く隠し扉をくぐりながら、シドは、苦笑した。
『さて、兄さんにどう言い訳したものでしょう』
そして、彼は立ち止まる。
「シド様?」
「先に行ってください。私は、用事を思い出しました」
とりあえず、オフのがバタバタしておりますので、
更新は…早くて20日になるかと思われます。隔月は隔月だけど…!(w_-;
オフといえば、某様主催の恒例アスガルドオフ会、もうすぐですね。
影ながら、みなさまの集いを祝福いたします。
ディパーテッド・ジークシドが頭から離れない…w( ̄Д ̄)w
「スーツ、新調したのか」
足音も荒く、帰宅したシドを見て、バドは訝しそうに眉を寄せた。
シドの衣服は、専らバドが買い与えている。
というか、専属のデザイナーへのオーダーメイド一点もの。時にいやらしく映る
ブランドのロゴマークは、その上質の布地には見当たらない、はずなのだ。
そうして、バドの冒頭の台詞。
袖部分の飾りボタンに輝くアルマーニの文字を見つけたが故の発言。
「買うつもりは…なかったんですけど。ほぼ全裸で部屋から放り出されましたから」
シドは今朝の修羅場を思い出し、苦笑する。
互いに全裸のまま-シドは下半身をシーツに埋めたままだったが-銃をむけあう
姿はさぞ滑稽であったろう。結局、ジークフリートは引き金を引けず。シドの銃口は、
恋人の眉間ではなく、背後の窓を打ち抜き、逃走経路を作るに留まったのだ。
体に絡むシーツをそのままに、窓から逃げ出し…、目に付いた衣料店で服を調達し、
そして今に至る。
「そりゃまた…」
衣料店の店主は、さぞ驚いたことだろう。
バドも苦笑し、シドを手招く。大人しく膝にまたがるシドの髪をなでてやる。
「だから、正義感に燃えてる新米なんぞはやめとけって言ったろ。これがまだ、
欲を出す幹部クラスになってくると、折り合いもついただろうに…」
「…あのひとだから、私は身を任せたのです」
ぎゅう、と兄の背に腕を回して、抱きつく。そのシドの背に、同じように腕をまわして、
なだめるように叩いてやりながら、バドは嫉妬ににた感情を覚えていた。
「ねえ、兄さん。ジークフリート…あのひとは、私にください」
「…始末するなら、いくらでも部下を貸すが…」
「いいえ。あのひとは、わたしがこの手で始末をつけます。だからけして、」
あのひとには手をださないで。
無言の訴えに、バドは両手を上げた。
サロメなシド…。
えーと、後朝の光をあびつつ修羅場に突入した前回の小話の続きでした。
まだ続くかな…。ホントはシーツ一枚でバドんとこ帰ってきて、
「…眼福だな」とかバドに言わせたかったんですが(根っこはバドシド)、さすがに
シドのオハダを不特定多数にさらすには忍びなく。アルマーニのおやじだけに
しときました。アルマーニが似合う男性が好みなのですが、あのラテン風味は
シドには似合わなかったかな~。
そろそろ更新の時期だナ~………(ぽつり
某所でひそやかに行われたバドシド対談は、前回以上のもりあがりを
みせつつ閉幕いたしました。バドがますますアレな人になっちゃいましたが、
それもまた、バドシド好きたちの愛。皆様ありがとうございました。
いろいろ笑いました。チャット中の自分の顔、かなりヤバイしあがりになってたはず。
明日はバレンタインですね。
双子ちゃんの家では、シドがチョコをつくる…ってのは、彼にとっては
ハイレベルすぎますので、たぶんバドが作ってあげるんでしょうね。
チョコはカロリー高なので、寒い冬をのりきるうえでも重要なアイテムです、たぶん。
ああ…双子はお互いが湯たんぽだから、チョコなくても平気かしら(* ̄▽ ̄*)ノ"
『ヴァルハラ宮内でのチョコレート交換は禁止』
無情な貼紙が出されたのは、2月にはいってすぐ、のことだった。
表向きの理由は、ヴァルハラ宮内部では人事交流が多く、
それぞれにチョコを贈り、また受け取るのは、双方に気苦労を与える、との
ものであった。だが、この触れが、一握りの男らの気苦労を取り去るものだと
いうことは、宮内の誰もが察していた。
バレンタイン当日。
女性陣が、本命へチョコをわたすことを、涙をのんで耐える…
わけはなかった。
『今年はチョコはだめなんだぞ』
こう言って狼狽するフェンリルには、
『あら、コレはチョコではございませんわ。フェンリル様のお好きな肉。ですわv』
贈る品を変えて丸め込むわ。
『…女、なんだこれは』
『チョコレートですわ。食堂からの配給ですわ』。
『…どこの配給が、プレート山盛りにチョコをのせるかぁぁーーーっっ!』
などと言って、アルベリッヒをキレさせるわ。
『…わたしは、コーヒーを頼んだのだが…』
『嫌ですわ、ちゃんと黒いじゃないですか』
ホットチョコをコーヒーだとごり押しして、ジークフリートに飲ませるわ。
(そしてジークフリートは、反論して傷つけても可哀想かと黙って計10杯/日のチョコを飲み干した)
バレンタイン災害は、むしろ前年よりも悲惨な結果をもたらしていた。
そんな、一日の終わり。
日中何杯ものコーヒー(実際はホットチョコ)を飲み干し
昼食のプレートに盛られたチョコをかじりして過ごしたシドは、
ふらつきながら自室へと戻っていた。
ドアを開けると、正面に位置する執務机の上が見える。
その机には、小さな箱が置かれていた。
開けると、2センチ四方の小さな小さなチョコがいっこ、入っている。
『俺の愛』
声のしたほうを見ると、部屋の主のベッドに断り無くもぐりこみ、仮眠していた
らしいバドの姿があった。チョコなど目にするのも嫌、という気分であったが、
兄のお手製と聞けば無下にするわけにもいかない。
ぱく、と口に含むと、苦味が口内に広がった。
『にがっ』
『カカオ90%だ。まあ…そのほうが、気分も変わるかと思ってな』
思い切り顔をしかめたシドを可笑しそうに見て、バドが言う。
『で、お前の愛は?』
『…ラッピング、してきます』
歯磨きもついでにしよう。
そう考えながら、シドはシャワーを浴びるべく浴室へ向う。
10分後、白いバスローブでラッピングされた『チョコ』を、バドは
美味しくいただいのだった。