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エイト●ォーではありません(表題)。
カレンダーを見て、はっとする…、
8月4日。そう、バドシドの日です。
これを提唱したのは、尊敬するアスガルド界の心友セイさん。
セイさんのお言葉を聞き、今までボーーッと
カレンダーを眺めていた自分を蹴飛ばしたくなりましたよ…

そんなこんなで8月に入りました。
7月末からなんか微妙にツキがなくて凹み気味ですが。
大丈夫…もうすぐ夏コミだから、乗り切る。


「そうだな、彼は…、波のような人だ」

長く、そして主張しすぎない程度に節だった指が、
ついと外へ向けられた。
古代神殿そのままに、窓のないそこ-双児宮-からは、
室内どこにいても、地中海を望むことができた。
うねる波を、夢想するように、声の主は目を細める。
いや、想っているのは、『波のよう』だという恋人のことか。

「波のように、捕えようとしても、指先から滑り落ちる。
 …逃げる。かと思えば、遠慮がちに近寄って来る。
 どうにも厄介で、…とても愛しい」
「ふうん」

声の主の他に、もうひとり。
禁欲的な青銀色の髪、深い深い、それこそ眼前の地中海などより
もっと深い、青色の瞳を持つ、その声の主と瓜二つの青年がいた。
青年は、手の中のワイングラスを、ひっきりなしにゆすっている。
外見からわかるように、彼と、声の主とは、血を分けた双子の兄弟だ。
兄の、のろけ話を聞くのは、青年としてはひどく気恥ずかしいものだった。
それは青年が初心なわけではなく、彼の兄が紡ぐ言葉のせい。
恋という俗なものが、この兄にかかると、詩的かつ高尚なものに
思えて仕方ない。そんな恋の詩をえんえん聞かされているのだ。
場慣れた者ほど、身の置き場がなく、赤面してしまうのも無理からぬ話なのだ。

「『波のような』はいいけどさ。あんたこの前は、『花のようだ』とか
言ってたよな。その前は、『鹿』で、そのその前は…あ~…
そうそう、『風』、あとは『猫』『小鳥』、まだあるぜ」
「そっ…、そんなに、か?」
「…厄介だな、自覚がないって…」

はあ、と、わざとらしくため息を吐く。
兄が詩の朗読をやめてくれたことへの安堵もまた、
その吐息に混ぜ込まれていた。
オロオロしだす兄の姿に、興を覚えたのか、
青年はもう一言、付け加えた。

「大変じゃね?何をみても、恋人に見えるんじゃ」

息を詰まらせ、青年の兄は、顔を伏せてしまっていた。
にやにやしながら、その顔を覗き込んで、青年は
目を丸くする。舌先で、口外に飛び出す準備をしていた
からかいの言葉も呑み込んだ。

うつむき、先ほど優雅に地中海を指していたその手で、
口元を押さえた彼の兄。その顔は、イタリア産トマトも
恥じ入ってしまいそうに、真っ赤に染まっていた。

「…は」

この兄にかかれば、恋も高尚になるだなんて、
数分前の自分を笑ってやりたい。
青年は、手の中のグラスを持ち上げた。
『すばらしきかな、恋のチカラ』
そんな思いで、グラスを呷る。


無意識になんでもシドに例えちゃうサガと、
なんだかんだでお兄ちゃん好きなカノン。

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ビバドシド!
六花さん、こんにちは。バドシドに関するねつ造、膨張、でっち上げなら何でおまかせあれ!な、セイです。
実は、六花さんの記事を見るまで、8月4日はおろか、8月に入ったことすら気がついていませんでした(^_^;)

さてさて、相変わらずクオリティの高いブログショートストーリーも、ウッハウハしながら読ませて頂きましたよ!
もう一つの双子の日常会話がここ最近では、すっかり兄君の初恋のろけ話になっているかと思うと、カノンにある意味同情せざるを得ません(笑)
しかし、やはり私もサガさんのノロケは、されどノロケでもたかがノロケでも非常に格式高く聞こえてしまいました!
カノンに指摘されるまで気がつかなかったと言うことは、本当に真剣にさまざまなものにシドさんの面影が見えていたんだろうなぁ・・・、そしてバド兄さんの許可をもぎ取らなくても、カノン公認っぽいので双児宮に引っ越しすればいいのではないかな?とも思いました(*^_^*)
北欧双子とは別に、この双子も兄弟仲良くしていると自然に顔が綻んできますので、もう?%E:605%#Xまでごちそうさまでしたv

それではこの辺で失礼いたします~♪
セイ 2009/08/03(Mon)16:04:13 編集
季節は早いもので
セイさん、コメントありがとうございます。
レスが遅くて申し訳ありません…!

8月4日は、私もふ…とカレンダーを見て思いだしました;他にも色々と、星矢関連のアニバーサリーをお考えのようで♪個人的に、サガ様絡みのアニバーサリーが欲しくて(笑)カレンダーをぼーっと眺めております。

聖域双子は、猫に例えると血統書付きの室内猫
って感じがします。革張りソファに優雅にねそべっていてほしいイメージ…。こちらの双子を書くときは、それをもとにして書いております。格式高いサガ様・と表現していただいて嬉しいです…!

バドに反対されたら、シドがギリシアへお嫁入り…そ、それもまた良し!カノンとシドは、普通に仲良しさんになってくれても美味しいですし、はたまたカノンが兄に勝るとも劣らぬネガティブさを持つ兄嫁から目が離せなくなる展開もまた良しかと…。

でも、そろそろバドとシドも絡ませますねっ;
六花 2009/08/08(Sat)23:15:45 編集
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