忍者ブログ
It's been on your side since you noticed
2024/11
< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


見間違えようのない銀の髪を追って、ジークフリートは走る。
おそらく、逃走路なのだろう…
薄暗く、細い通路はくねくねと折れ曲がりながら
ジークフリートを闇の底へと誘っていく。
背後からついてきていたはずの部下たちの気配も
いつしか感じられなくなっていた。

ふと、唐突に道が終わる。
真新しい鉄の扉が、ジークフリートの前に立ちはだかる。
「…開いている?」
重々しい扉は、彼を誘い入れるように、
うすくその身体を開いていた。
その事実を確認するや、ジークフリートは素早く取っ手を掴み
扉をくぐる。そして、正面…、明かり取りの天窓からこぼれる
月明かりを浴びて、微笑む-すこし驚いたように-青年を見つけて
そこに立ち尽くした。
青年は…、シドは、三年前のあの朝と同じ笑みを浮かべて、
ジークフリートを見つめている。

「出世したのですね、ジークフリート」
シドは、今度こそ混じりけなくあどけない笑みを浮かべて
ジークフリートに話しかけた。
「…おまえのためだ」
「わたしの…?」
心底不思議そうに、シドは首を傾げる。
「わたしのためというならば、いっそ警察などやめて
 くださればいいのに」
「ああ、私もいまおまえにそれを望んだよ。…マフィアなどやめてしまえ、と」
お互いの主張を終えると、二人は同時にくすり、と吐息をもらした。
次の瞬間、ジークフリートは腰にあった銃を取り出し、
シドの眉間にねらいを定めている。
「丸腰ですよ」
シドは大仰に肩をそびやかし、その両手をあげた。
「わからんさ。おまえは嘘が得意だろう?…私が調べてやる」


前回の日記・3月ですね~。
五月病なのかしら…、いろいろ気がゆるみがちです。
自分について考える今日このごろ…
PR

何故、気づかなかったのか。
シドは、上階に立つ男を見上げ、舌打ちをした。

某、領事館。
外国領事館は、ある種の治外法権が働き、領事の良心如何でそこは
救いの宮にも、諜報機関にも、または賭博場にも、思い思いに姿を変える。
シドとバド…この双子を頂点に頂く、北欧系マフィア。
新興の団体であった彼らは、てっとりばやく力をつけるために、
コネと、安全な資金源両方を獲得できる領事館を標的に選んでいた。
勿論、相手の母国にも、このことは知らされていない。
そのため、国内にはいくつものダミー賭博場を設け、これらを定期的に
警察官に『提供』することで、双子は一番うまいエサを貪ってきたのだ。
この日も、領事館から半径10キロは離れているカジノで、違法賭博が
催されるとの噂を故意に流し、本命のこの場でしこたま儲ける手筈だった。
それが、信じられないことに、当の領事の手で水泡に帰したのだ。
領事のしぼんだ肩に手を置いているのは、鍔広の帽子と黒のスーツを
まとった長身の男だった。「そこまでだ」と、当初男が叫んだとき、誰もが彼を
訝しく見上げた。あの新入りは何を言い出すのか、と。シドもその一人だ。
特に、バド不在の場にあっては、シドが場の責任者となる。
折角のビジネスチャンスをふいにされてはたまらないと、シドは一歩、
階上にいる男のほうへ踏み出した。そのとき、丁度、男が帽子を払ったのだ。
「…警察だ!」
男の一声で、どこに紛れ込んでいたのか、一斉に制服姿の警官がなだれこんでくる。
「シド様!」
側近の背に庇われるようにして、場を逃れようとするシドの耳に、
男の声が突き刺さった。
「その、銀髪の男だ!必ず捕らえろ!」
言い放ちながら、自身もひらりと欄干から身を躍らせ、シドのもとへと
駆けてくる。逃走経路へと続く隠し扉をくぐりながら、シドは、苦笑した。
『さて、兄さんにどう言い訳したものでしょう』
そして、彼は立ち止まる。
「シド様?」

「先に行ってください。私は、用事を思い出しました」
今回の更新作業で、随分長い間裏ページの不具合を
ほったらかしていたことが発覚。ご迷惑おかけいたしました。

さて、
第一回バドシドチャットにて盛り上がった、
『真夏の夜の…』
あのあとシドはどうなったの?…という話題について、
後日セイさんが補足小説を書いてくださいました!
ありがたくアップさせていただくと同時に、
私自身の更新・『改正☆教育基本法!』などもアップしています。
…思い切りアホっぽいタイトルにしました。
べつに愛○心がどうとかいう意図はない…むしろ、
愛シド?精神は奨励していますが!

フィギュア始まったけど、実家で録画をお願いしているので
当分見られない~。。。o(゜^ ゜)
ジョニー・ウィアと、ランビエール見たい。…出るのか。出てくれ。
てか、水泳とかぶってて、報道番組でもスケートの影が薄いような気がする。
そろそろフィギュアスケート世界選手権が始まりますね。
なんで今年に限って日本開催なのか…涙をのんで、某荒稼ぎ民放に
全てを委ねようと思います。しっかり中継せぇよ、コンチクショー…( ̄- ̄メ)

ええと、先々月買ったマンガの影響で、スケート熱があがってます。
サン○ーの、鈴木なかば先生のアレね…
なかば先生の作品は、ライパク時代から好きなので…、かつ
なんか前から気になってたので、うっかり買ってしまいました。…現実離れしてるけど
なんかこう、キュンキュンしたり(ぇ)、勇気を分けてもらえるようなマンガですね。
ネットで検索してみたけど…、やはりなかば先生の作品、
同人が少ない…。。。o(゜^ ゜)原作がおもろすぎて、そんな余地がないせいかな~。

と、そんなことを思いつつ、いまのところは、
五反田→七瀬とかよくない?!とこっそりモンモンしてます…。
クールビューティ&ヘタレ(あれ、この構図どっかで…笑)
…この作品ご存知な方、いないかな~(´・ω・`)

完璧自己満足・五→七

東日本を代表するフィギュアスケートクラブ白帝(はくてい)と、
同じく西日本を背負うフロストクイーンフィギュアスケートクラブとの、
定例交流試合2日目。長い2日間が終わり、選手らは皆一様に、肩の力をぬく。
エギジビジョンを終え、各クラブの監督らが互いの健闘をたたえ、
ある選手はまたささやかな舌戦を仕掛け。そして、秋の一幕は終わりを告げた。

「俺、先に出てるな」。
白帝で、一番先に身支度を終えたのは、五反田正だった。
男子シングル選手として、フロストクイーンのエース七瀬と対戦。
練習滑走で右足首を痛めながらも、ショートプログラムで七瀬を破るという
今大会でも指折りの快挙をなしとげた男だ。もっとも、続くフリーの部では、
大事をとって棄権し、勝利自体は七瀬が収めるところとなったのだが。
「あっ、五反田!座ってりゃいいのに…」
五反田と同郷かつ親友と言っていい、同じく白帝の北里吹雪が声をかける。
しかし、五反田は右足をかばいつつ、ぴょこぴょことロッカーを後にしていた。

「ああ、やっぱいないか…」
五反田が痛めた足をおして、先に出てきた理由。それは、かつて郷里福島で
教えを受けていた、黒塚コーチを探すためだった。
ショートを滑りきり、尻をついた五反田に、誰よりも早く駆け寄り、その成長を
褒めてくれた恩師。その後ゆっくり言葉を交わすまもなく、黒塚はどこへともなく
消えてしまったのだ。出入り口ならば、もしかしたら会えるかもしれない…という
期待を含んでの行動だった。だが、五反田がやってきたとき、既にロビーには
人影はなく、受付ですら電燈がおとされ、ひっそりとしていた。
黒塚に会えそうもない、と意識した途端、理不尽なもので、急に右足が痛み出す。
足を引きずり、五反田はロビーに置かれたソファに腰掛けた。
…静かだ。白帝のチームメイトは、まだ来そうにない。対戦相手フロストクイーンも
引き上げてしまったのだろうか…、と考えていたところで、控え室から、この
ロビーへと続く廊下から、靴音が響いてきた。
「あ」
思わず漏れた声、その声を耳にしてか、靴音の主が顔を上げる。
先刻まで纏っていた、フロストクイーンのジャージから、恐らく私服であろう
シンプルなデザインシャツと、ジーンズに装いを変えた七瀬将臣だった。
目を細め、少しの間五反田の顔を見…、また、何事もなかったように歩き出す。
ロビーには彼の無機質な靴音だけがまた、響き始めた。
五反田は、なんとなく、彼の動きを目で追っていた。目を離すことを忘れていた、と
言い換えてもいい。ほぼ80度後方を向いていた彼の首が、少しずつその角度を
狭めていく。それはつまり、七瀬がロビーからエントランスに近づくことを意味している。
その五反田の首の角度が正常に戻り、…今度は仰角20度に固定された。
『え?』
五反田が座るソファの、前方10センチ…のところで、七瀬が立ち止まり、
あろうことか五反田を見下ろしていた。明らかに狼狽する五反田を他所に、七瀬は
さらに彼との距離をつめ、ごくごく自然な動作でその場に膝をついた。
『えええええ?!』
一瞬にして、自分の視点よりも下になった七瀬の額を見詰めながら、五反田は心の中で
絶叫していた。『な、なんであの七瀬さんが、俺なんかの…の…』
「…ひどい腫れだな」
七瀬が僅かに眉を寄せたのが見て取れた。
「これでよく、この俺のスコアを破ったものだ」。
くじいた足首の上には、湿布と、さらにそれを固定する包帯が巻かれている。
それにも関わらず、七瀬が触れている箇所が、ひんやりと心地よく感じられた。
さらり、と、七瀬の後ろへ撫で付けた長髪が崩れ、そのいく束かが額に零れた。
「処置は当然、しているんだろうな」。
「えっ、あっ…、」
伏せていた顔を上げたことで、七瀬の薄茶の瞳が、じかに五反田を射抜く。
五反田はあたふたと上半身をゆらし、うなづいた。
「ハイ、ちゃんと…!」
「そうか」。
七瀬の視線にあわせて、五反田も自分の足元を見詰める。
そこで、履いていたスニーカーの紐がほどけていることに気づいた。
あとで直さなきゃな…、と考える間に、七瀬がその紐を元通り結っていく。
「七瀬さん?!」
「…ねんざは甘く見ないことだ。また転んだら、悪化は目に見えている」。
器用に靴紐を編み上げると、七瀬はしゃがみこんだと同じ唐突さで立ち上がった。
傍らに置いていたバッグを肩にかける。
「あ、…ありが…」
「五反田~」
慌てて礼を言いかける五反田をさえぎるようにして、彼の名を呼ぶ声がした。
反射的にふりむくと、そこには吹雪を先頭に、チームメイトが並んでいる。
「七瀬」。
白帝では最年長、七瀬とは同年齢の、村雲京太郎が驚いたように声を上げた。
「五反田になにか?」
「…足を見ていただけだ」。
素っ気無い七瀬の返答に、村雲はさらに驚いた顔をする。
そんな村雲の視線や、他の白帝メンバーの視線が煩わしくなったのか、七瀬は
眉を寄せ、肩にかけていたバッグを抱えなおした。
「…じゃあ、な」。
「ああ。…次は高等部で、か?」
「その前に国内試合もある」。
苦笑する村雲をよそに、七瀬は踵を返した。そのまま、すたすたとエントランスをくぐる。
「…珍しいな、七瀬が…。五反田にショートで負けたことが悔しかったのか、…」
「五反田?足、痛いことされんかったんか?」
心配そうな吹雪に、五反田は慌てて首を振る。
「いや、…ってて…」。
大丈夫だ、といおうとして、五反田は顔をしかめた。
七瀬に触れられた足首が、また熱をもってうずき始めていた。


村雲&七瀬でもいいかな…と思いつつ、しかしジェントルマン村雲はそのさわやかさに
比する黒さもまた併せ持っていそうなので…、むしろ五反田をいじってほしい。
後日、ちゃんとお礼を言えなかった+αで、五反田は村雲に七瀬の連絡先を
聞くんだけど、「七瀬の?…なんで?(にっこり)」とかって返されてオロオロ。
どうにかこうにか七瀬の許可をとってから、アドレスを教えてもらうことにしたのは
いいけど、今度は村雲経由で七瀬から「アドレス?…何故。何か用があるのか」。
たぶん七瀬は、ほんとに必要性がある人にだけ、携帯なりなんなり、
連絡先を教えてそうです。なので、五反田が自分のアドレスを知って、
今後どうしたいのかを聞かないと教えたくない。
五反田ピンチ。
「えっ…とりあえずお礼言いたいんだけど…このノリだと、『そうか』で済まされそう…
なんとか今後のことにつなげて…って、なんで俺こんな必死なんだ?!」
まだほのかな恋心に気づかない五反田、ひとりパニック。

…やばい、お も し ろ い 。

とりあえず、オフのがバタバタしておりますので、
更新は…早くて20日になるかと思われます。隔月は隔月だけど…!(w_-;

オフといえば、某様主催の恒例アスガルドオフ会、もうすぐですね。
影ながら、みなさまの集いを祝福いたします。

ディパーテッド・ジークシドが頭から離れない…w( ̄Д ̄)w


「スーツ、新調したのか」
足音も荒く、帰宅したシドを見て、バドは訝しそうに眉を寄せた。
シドの衣服は、専らバドが買い与えている。
というか、専属のデザイナーへのオーダーメイド一点もの。時にいやらしく映る
ブランドのロゴマークは、その上質の布地には見当たらない、はずなのだ。
そうして、バドの冒頭の台詞。
袖部分の飾りボタンに輝くアルマーニの文字を見つけたが故の発言。
「買うつもりは…なかったんですけど。ほぼ全裸で部屋から放り出されましたから」
シドは今朝の修羅場を思い出し、苦笑する。
互いに全裸のまま-シドは下半身をシーツに埋めたままだったが-銃をむけあう
姿はさぞ滑稽であったろう。結局、ジークフリートは引き金を引けず。シドの銃口は、
恋人の眉間ではなく、背後の窓を打ち抜き、逃走経路を作るに留まったのだ。
体に絡むシーツをそのままに、窓から逃げ出し…、目に付いた衣料店で服を調達し、
そして今に至る。
「そりゃまた…」
衣料店の店主は、さぞ驚いたことだろう。
バドも苦笑し、シドを手招く。大人しく膝にまたがるシドの髪をなでてやる。
「だから、正義感に燃えてる新米なんぞはやめとけって言ったろ。これがまだ、
 欲を出す幹部クラスになってくると、折り合いもついただろうに…」
「…あのひとだから、私は身を任せたのです」
ぎゅう、と兄の背に腕を回して、抱きつく。そのシドの背に、同じように腕をまわして、
なだめるように叩いてやりながら、バドは嫉妬ににた感情を覚えていた。
「ねえ、兄さん。ジークフリート…あのひとは、私にください」
「…始末するなら、いくらでも部下を貸すが…」
「いいえ。あのひとは、わたしがこの手で始末をつけます。だからけして、」

あのひとには手をださないで。

無言の訴えに、バドは両手を上げた。


サロメなシド…。
えーと、後朝の光をあびつつ修羅場に突入した前回の小話の続きでした。
まだ続くかな…。ホントはシーツ一枚でバドんとこ帰ってきて、
「…眼福だな」とかバドに言わせたかったんですが(根っこはバドシド)、さすがに
シドのオハダを不特定多数にさらすには忍びなく。アルマーニのおやじだけに
しときました。アルマーニが似合う男性が好みなのですが、あのラテン風味は
シドには似合わなかったかな~。

Admin    Write    Res
忍者ブログ [PR]