忍者ブログ
It's been on your side since you noticed
2024/11
< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

9月23日、連休最後の日、
珍しく祝日に雑誌・コミックが発売されました。
気づいてましたか?
ア.フタ.ヌーンとかそのあたりね。

初・勝手にまんが評カテゴリの記事は、
その祝日発売された、

K談社 AフタヌーンKC 

ヴ.ィンラ.ンド・サガ⑧

…です。
ざっくりストーリーを追いますと、

アイスランドの平和な村で生まれた主人公トルフィンは、
人望厚く、武勇に優れた父トルケルと、美しい母、そして快活な姉と
穏やかな生活を営んでいた。
しかし、そこに、デンマーク王スヴェンから、トルケルに
出兵の命令が下る。村を戦火にさらすことを恐れ、トルケルはこれに応じる。
しかし、その命令はトルケルの命を奪うための罠であり、
トルケルは同行した村の若者、そしてトルフィンを守り、命を落とした。
トルフィンは、トルケルの命を奪った海賊(※海賊に扮した兵士団)の
首領アシェラッドを仇とし、彼の兵士団にもぐりこむ。
ひたすらに父の仇討を心に抱くトルフィン。
そんなトルフィンをよそに、デンマークは権力図を変えていく。
現王スヴェン、王子ハラルド、第二王子クヌート。
スヴェンはハラルドを後継と定め、クヌート殺害を企てる。
アシェラッドは、クヌートの参謀として、王子の命を守り、
デンマーク王位につけるため、そして自らの望みを果たすため、
さまざまな知略をねるのだが…

…こんなかんじです。
読み始めたキッカケは、六花の北欧(正確にはゲルマン語圏)好きに
よるものなのですが。読み続けているのは、高い描写力、構成力と、
各巻に散らばる心を打つ名言によるところが大きい。

⑧では、トルフィンが父の仇として狙ってきたアシェラッドが
死を迎えます。詳しく書くと長くなるのですが、
アシェラッドは、ブリタニア王国直系の子孫。
紀元1000年前後、ブリタニアは、おおまかに言うとデーン領と
ウェールズ地方の小王国群、イングランドに分割されている。
アシェラッドはそのなかのひとつ、ウェールズ出身の母を持ち、
ウェールズを故郷として、大切に思っているのです。
そんなウェールズに、スヴェン王が戦をしかけるという。
まだクヌート派は、スヴェンを討つほど力を備えていない。
ウェールズを見捨てることもできない。
アシェラッドが選んだ道は、乱心を装いスヴェンを殺すことでした。
王を殺した自らをクヌートが討てば、クヌートの立場はより大きくなる。
そして、スヴェンの死により、ウェールズ侵攻も白紙に戻る。

作中、アシェラッドは、ずっとアシェラッド(灰まみれ)と呼ばれてきました。
ブリタニアの血をひくことが明らかになっても、ずっとアシェラッドと。
この名前は、デーン方でつけられた名であり、彼の本当の名前…
ブリタニア直系としての名前はほかにあった。
その名前を、死の直前で、アシェラッドは初めて口にする。
ケルト民族の間では、真の名、に呪術的な力があると考えていたんだっけ…
※クリ☆ドラとかゲドの知識です;
そんな重要な意味をもつ名前を、不特定多数の前で口にする。
アシェラッドは、それでもってウェールズへの忠誠を、
いや、自分が死の間際までも、ブリタニアの血脈を継いできたことへの
誇りを示したのか。または、終生ブリタニアの血から逃れられなかった
自己への皮肉なのか。
⑧の名言は間違いなく、アシェラッドの真の名、です。
それを口にした真意は、推測の域をでないけれど、
そこに強い意志があったことは間違いのないこと。
言葉がもつ力を強く焼き付けられたひとコマでした。

⑧をもって、物語は新章へ。半年後が楽しみであります。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Admin    Write    Res
忍者ブログ [PR]