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そういえば…、
『BOOK』のフォローというか、更新記録みたいなものを
書いておりませんでした。
まあ、たまにはいいじゃろ…、らぶらぶ双子ですが、
文章のどこかで刹那の想いを感じ取っていただければ。

さて……、
なんだか最近、幽白の黄泉様が好きでたまりません。
蔵馬×黄泉とか…、幽助×黄泉とかね…、ないけどね!
しかし幽助には螢子ちゃんがいるから、黄泉は御妾さ…
もとい、たまに幽助が魔界に里帰りしたときの茶のみ友達かなぁ。。。
黄泉は、蔵馬に間接的に殺されそうになったことが若干トラウマに
なってて、絶対に自分を裏切らない、裏切らせない者が集う帝国を夢見て
癌陀羅を建国したのかもしれないな…とか、ぼーっと考えています。
裏切られることが怖くて、誰にも心をひらかず、むしろそれ-腹心を必要としない
自分-は、国主として強いのだと無理やりに思い込んでいそう。
黄泉様不幸受け…仕合せにはなれなさそうな方です。


「あぁぁあ~~!」
奇声をあげ、幽助はばったりと背後へ倒れこんだ。
毛足の長い、魔界における最高級の敷物が、その背への衝撃を
やわらげる。大統領府衛星都市癌陀羅。黄泉の宮殿の一室である。

魔界統一トーナメントの終焉の後、新しい大統領府は、
雷禅の宮殿内に築かれた。それは、優勝者である煙鬼いわく
「ここにデンといすわって、あの大会の思い出話してやれば、あの頑固野郎
 さぞ悔しがるぞ」という…、一種のひねくれた雷禅を偲ぶ気持ちの現われだった。
大統領府が、かつて魔界の覇をきそった一角の居城にのみ置かれたのでは、
差しさわりがでるのではないか。そういう声もあり、躯の移動要塞百足には
魔界の治安維持を司る軍部が。黄泉の癌陀羅には、司法を司る機関がおかれた。

幽助が魔界を訪問するのは、珍しいことではない。
霊界が対上級妖怪用の結界をといたことで、ふたつの世界は驚くほど
近くなった。彼は魔界へ戻るたびに、父の旧居城を訪れ、煙鬼と語り合ったり
また、躯や飛影を尋ねて、迷い人間の多さへの愚痴を聞いたり
北神ら旧部下らとじゃれあったりして時をすごしていた。
その幽助が、今回の里帰りの際に選んだ訪問地は、ここ…癌陀羅であった。
そして冒頭へ。

黄泉の執務室で、盛大に大声をあげ、寝転がる幽助。
それを呆れたように、見えぬ目で見つめる、この部屋の主・黄泉。
黄泉は手にした厚い新法律書を繰り、こめかみにとりつけた盲目者専用
情報端末でそれを記憶している真っ最中であった。
「わたしの仕事がおわるまで、静かにしているのだろう」
低い声は、さほど怒っているようではない。
幽助は寝転んだまま顎をあげ、さかさまに黄泉を見上げた。
「ああ、いますっげー後悔してる。それ、ぜんぜん終わんねーみたいだし」
ぶちぶちと文句を言う幽助を無視して、黄泉はまた手の中の書物に
意識をむける。ぱらぱらと、彼がページを繰る手は早い。
「……なんだ」
そっと、極力気配をころして、絨毯から体を起こした幽助は、
黄泉の言葉にビクリと肩をすくめる。
幽助のおこした、微細な空気の流れを、黄泉は感じ取ったらしい。
ひらきなおった幽助は、今度は音をころすこともなく、無造作に
黄泉に近づき、背後から、先刻より黄泉の意識を奪っている
法律書を覗き込んだ。自然、肩を後ろから抱きこむような形になる。
黄泉の後頭部にある角が胸にあたって痛いが、腕をゆるめるという
選択肢は浮かばなかった。
「かまってくれねーとグレるぞ」
「…ぐれるとは、どういう意味だ?」
まじめな顔で返されて、幽助はぐっと言葉に詰まる。
…世間…いや、人間界知らず。
思わぬところでカルチャーショックを与えられるが
思い直して、にやりと笑う。
「こうゆうことかな?」
片手は黄泉の顎に、唇は振り向かせた黄泉のそれに。


このあと、幽助は「無礼者!」の気合一閃ふっとばされたとかされないとか。
題をつけるとしたら、非行少年。

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