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おひさしぶりです。皆様の六花です(o*。_。)o
はてさて、かろうじてブログは二ヶ月ぶり…?更新に至っては沈黙あるのみですね。
ええと、プライベートも落ち着いてきましたので、そろそろ萌えターンに
はいりたいと存じます。厄介なもので、私の萌えターンは唐突にやってきて、唐突に去り
またいつぶりかえすか…そのインターバルが長い長い。

そんなダメアスガルダー六花ですが、先日大阪でプチオフに参加してまいりました。
セイさん、美桜さま、お世話になりました。地元産なのに不案内ですみません。
しかし…一日中…アスガルド…至福のときをすごさせていただきました。
不得手なカラオケでは、カプソング!お好み焼きたべつつ萌え!
なにより、不安定なこのサイトを応援してくださるおふたかたに…
申し訳ないほど元気をいただきました。ありがとうございます。
また後ほどご挨拶に参ります。

では、久々のブログ劇場。


「いくらわたしが女性ではないからと、就寝前の寝室に突然現れるのは、
 無作法とは思いませんか?」
湯を浴びて一日の疲れを癒し、それから酸化しすぎた赤ワインをグラスに一杯。
夕食代わりにと、サンドイッチを少し自室へ持ち帰っていたが、
それを飲み下す気もおきず、早々にベッドに横になる。
ベッドサイドのランプを消そうとして、昨夜から読み始めた小説が目にとまり、
その頁を繰ること数十分…、さて今度こそ就寝を、と思った時だった。
シドの目の前の風景…、殺風景な壁、雪のつもる窓が唐突にゆがみ、
雲突くような長身が、歪み裂けたその次元の間から、するりと室内に入り込んだのは。
ため息をつき、控えめな抗議を口にするシドに対して、侵入者もまた
控えめに微笑む。
「すまない…、非礼だとは思ったのだが」
180センチはあろうかという背を丸められては、シドもそれ以上のことは言えなくなる。
「サガ」
どうしたのです。ベッドから腕を持ち上げ、その動作でサガを招く。
ベッドサイドに立ったサガに、目で問いかけると、サガはほっとしたように
シドの差し出された手をとり…、
「冷たい」
「ああ…すまない」
湯とワインで温められたシドの手に、サガの手はひどく冷たく感じられる。
目を眇めて謝る男を見つめ…、シドはその髪や服に着いた白い氷の粒に気づいた。
「……雪?」
次元をねじまげる能力を応用して、サガは遠いギリシャの地から、
このアスガルドへ渡ってきたはずなのだ。つまり、室内から室内へと。
「どこで…雪などついたのでしょう」
不思議そうに首を傾げ、シドはサガがひっこめた手を両手で包みこむ。
その冷え切った手を温めるように。
突っ立ったまま、そのシドの動作を見守っていたサガは…、ほっと
頬を緩め、もはや十分に温まった手をシドの背に回した。
急に抱きしめられ、面食らいながらも、シドは同じようにサガを抱きしめ返す。
「今年は、ギリシャもひどい寒波でな。アテネもひどい雪が降っている。
 何十年ぶりだろう…わたしが生きてきたこの数十年はなかったことだ。
 聖域の皆は、こどものようにはしゃいでいて、わたしはその様子を宮から見つめていた。
 そしてふと、思い出したのだ。…わたしの雪の音を」
ああでもない、こうでもないと、目の前の男が『雪の音』を考えていたのは、
もう一年も前のこと。そのときのことを思い出し、シドはくすりと笑う。
「ええ、それで?」
「雪の中に出てみた。雪を両手で…体で受けてみた。そうすればわたしのなかの
 衝動を抑えることが出来るのではないかと…。だが、徒労だったな。
 気づけばわたしは道をひらき、ここへ降り立ってしまっていた」
サガは言葉をきり、シドを抱きしめる腕を解いた。そうして、改めて、
その両手で恋人の頬を包み込む。
「雪の音を、お前が教えてくれたのは去年だったな。だが、あの時から、わたしにとっての
 雪の音はおまえの声、その白さはおまえの肌、その雪をもたらす冬はおまえの祖国を
 私に思い起こさせる…」
恋人の言葉を黙って聞いていたシドだが、その内容は彼の白磁の頬を
上気させるには十分な内容だった。もう、わかったから。
そうした意味をこめて、シドは恋人の名前を呼ぶ。
「サガ…」
その響きに、当の男はいっそう穏やかに、シドを赤面させるほど完璧な
笑みを浮かべた。

「…ああ、やはり、わたしの雪は…記憶のとおり、こんなにも柔らかな音で降る」


『雪の音』を書いたのも、ほぼ一年前でした。
おお…恋人っぽくなると、この二人くささが増します。芝居臭いです。
文学カップルでもあるこの二人、なかなか遠まわしな表現が好きなようです。
…いえ、まあ…六花の力量ではこのくらいの比喩(?)で精一杯なわけです。
一年前より進展して、結構らぶらぶなご様子。サガにとっては、
雪の音はもはやシドの声音を思い出させるもの…ひいてはシドの声そのものという
わけなのです。では、シドにとってサガそのものといえる存在は…?
それはまた今度、ですね。
少し前まで日本を覆っていた寒波のはしっこが欧州にもかかっていて、
ギリシャ・テッサロニキに大雪がふったというニュースを見て思いついたネタでした。

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こんばんは!セイです。
六花さん
こんばんは!六花さんだけのセイ、ブログ劇場に惹かれてふらふらとやってまいりましたー♪
先日の宴の勢いそのままに、何やら幸せなサガシド劇場が展開されていて、真夜中うっかり携帯から覗いてしまって今日は眠れませんでしたー☆
このお話を読んで、六花さんが歌ってくださった演歌がグルグルと頭を駆け巡って止まりません!(笑)
雪の音がシドさんの声・・・その白さはシドさんの肌・・・・!これから長い冬を越さなければならないのに、雪を見るたびに不埒な妄想に実際に駆られていて無事に越冬する自信が砕かれましたがどうしてくれますか!!(爆)
何となくサガ氏はシドさんと別の意味で天然な予感がするので、こういう芝居がかった台詞でも本当に本気なんだなぁと言う気持ちが伝わって来て、照れてしまうけども凄くらしいなぁと思った次第であります。
シドさんにとってのサガ氏を思い起こさせる存在とは一体・・・!これからもますます天井裏に張り付いてストーカーの如く(それはもう通報される如くに)見守りながらワクワクさせていただきますので、どうか宜しくお願いしますvv

プライベートが落ち着いたとありますが、六花さんの萌えターン、非常に楽しみにしていますので、残り僅かな今年と、そして来年もどうか宜しくお願い致します。
そして遅ればせながらも、先日のオフ会、こちらこそありがとう御座いましたー!私も六花さんと二年ぶりにお会いできて色々お話が出来て、そしてちょっと興奮しすぎちゃいましたけど(^_^;)でもこちらも元気と萌えをガッツリと頂きました!本当にどうも有り難う御座いました!
それでは失礼致します。
セイ  2007/12/28(Fri)21:50:30 編集
オフ会ではありがとうございましたm(__)m
六花さん
こんばんは、美桜です。
遅ればせながら、先日のオフ会ではお世話になり、ありがとうございました。
萌えはもちろんですがいろいろとお話できて楽しかったです。

そして、待っていましたサガシド!六花さんのサガシドはどちらも自分で自分を追い詰めてしまいそうで・・・(ホロリ)
まさに自縄自縛という感じでしょうか。
そんな二人の唯一の救いがお互いというような雰囲気が…
久々の六花さん節を堪能させていただきました。

六花さん今年もあとわずかですが良いお年を。
そして、来年も宜しくお願いいたします。

それでは、失礼いたします。
美桜 2007/12/29(Sat)20:53:48 編集
どもどもどうも
こんにちは、まりです。連絡手段が見当たらなくて…こちらに割り込みを。昨夜はすっかりお世話になりました!書物の話に嵌り込んで暴走しちゃいました☆ミ ですがとても勉強になりました。失礼ながら某刊行会を愛する人にはなかなか巡り会えないですものー(笑)
…あの、それでですね、私昨夜とても恥ずかしい間違いをしていたのですね…。西王母は儒教じゃなくて道教ですね。女仙のトップですものね。うわ、おバカさんですみません。
サガシドってとても雰囲気があってステキです!何かとても高級な恋人たちって感じになりますね、この二人だと。
では、お邪魔いたしました~
まり 2008/01/06(Sun)14:21:17 編集
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